サラマンドラの水槽

μία γὰρ χελιδὼν ἔαρ οὐ ποιεῖ, οὐδὲ μία ἡμέρα. (Arist. EN. 1098a18-19)

アリストテレス関連論文二本

タイトル通り、アリストテレスの「共通感覚」についての論文。特徴としては、『自然学小論集』の参照を多く行なっていることと、「比(logos)」の重視が挙げられます。アリストテレスに対立する意見としてバークリーを引用しているのも面白い。

 

 

野津悌「アリストテレスのエンテュメーマ論 : 『弁論術』における説得の論理の正当性」

最近『弁論術』の勉強も並行して行なっているので、そのために読んだ論文。私が『弁論術』を研究する際には、本論文のpp. 60-62における「聴衆の判定力」まわりの議論が重要なものになるかなと。聴衆の知性をどの程度信頼すべきかということは、やはり「弁論」のような事柄を扱う際には大事になってくると思います。