サラマンドラの水槽

μία γὰρ χελιδὼν ἔαρ οὐ ποιεῖ, οὐδὲ μία ἡμέρα. (Arist. EN. 1098a18-19)

日本哲学会第72回大会

日本哲学会で5月11日に発表してきました(プログラム等はこちら)。

題目は「『分析論後書』B巻第19章における第一原理の問題」、司会は東北大学の篠澤和久先生です。

原稿(pdf):https://docs.google.com/file/d/0Bzk8O7t8Llx-M0hXckZyUkczQ0k/edit?usp=sharing

 

初の東京行きに初の全国学会と初めてづくしでしたが、なんとかこなせてきたと思います。プロパー以外の方からも質問が出てきたのは嬉しかったです。

以下、会場・懇親会・その他での質問内容の簡単なまとめです。

 

 

・『後書』A巻第2章における「公理」「基礎定立」「定義」との関連性。
アリストテレスの推論の妥当性について。
・第一原理としての概念はすべての前提命題にかかわるか否か。前提命題の種類に応じて、概念が含む(かもしれない)存在の問題も出てくるのではないか。
・本発表の枠組みは、『メノン』における学びの例と調和するか否か。
・「或る意味での経験主義」ということの具体的内実。
・冒頭で引用しているA巻第1章冒頭部分の「認識(グノーシス)」は、この議論の補強に使えないか。
・(1)→(2)の段階を詳述する。日常的な場面とはより具体的には何か、その広がりをどの程度認めるのかという問題。
・知識論を扱う際には、JTB問題も考慮すべきではないのか。

 

取りこぼしもあると思いますが、ひとまずはこんな感じです。

以上の問題を考慮しつつ、6月末に向けて論文の形に仕上げていきます。

 

 

私の発表も含めたアリストテレス部屋の様子については、坂本邦暢さんがまとめられています。

アリストテレスに満ちた空間 日本哲学会第72回大会」 http://d.hatena.ne.jp/nikubeta/20130512