最近の読書
- 作者: 斎藤美奈子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/12/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 架神恭介,辰巳一世
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/05/11
- メディア: 文庫
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移動の合間に読んでいた二冊。
『文章読本さん江』は、谷崎潤一郎からはじまる「文章読本」というジャンルへメスを入れる名著。
古今の文章読本を引用しつつ、「この本はこんなところがおかしい」と明晰かつアイロニカルに論じていく中で、自身の考察も進められていきます。
「文は服である」という結論に納得できるかどうかはさておき、読んでいて面白い本であることには変わりありません。
何らかの文章読本を先に読んでおくと、より楽しめるかもしれません。
『よいこの君主論』は某書で勧められているのを見て購入。
マキャベリ『君主論』の解説本なわけですが、この方法を実際の小学校で使用して覇権を狙う「ひろしくん」の物語でもあります。
実際こんなにうまくいけばいいのですが、まあそこはご愛嬌。
イラストがまたいい味を出していて、特に人物紹介の箇所の、ジョジョのステータスパロディなんかは最高です。
もちろん、文章自体の面白さも忘れてはいけません。たとえば第7章「極悪非道の正しい使い方――極悪非道まあやちゃんの遠足」からの引用。
まあやちゃんは邪悪な精神と権力への強靭な意志を備えた女の子でした。彼女は持てる知性をすべて悪徳へと注ぎ込み、この遠足のために極悪非道な姦計を用意していたのです。(p. 81)
まあやちゃんのこの姦計への、ナビ役であるはなこちゃんの感想
私もまったく素晴らしいと思います。まあやちゃんは、今まで見てきた中で最も尊敬できる小君主ね。完璧な謀略、果敢な実行力、目的のためには手段を選ばぬ態度、そして、極悪非道を用いた後でも配下の友達に反乱を起こさせない統治能力。私の理想的な姿だわ!(p. 90)
終始こんな感じで進んでいきます。
どちらの本もバスや電車の中で笑いをこらえるのに苦労しました。
一読をオススメします。
文章読本といえば、戸田山先生の『論文教室』新版が出てましたね。
いい本ですので、こちらもぜひ。
新版 論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス No.1194)
- 作者: 戸田山和久
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/08/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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