サラマンドラの水槽

μία γὰρ χελιδὼν ἔαρ οὐ ποιεῖ, οὐδὲ μία ἡμέρα. (Arist. EN. 1098a18-19)

『分析論後書』の新訳について

 

分析論前書 分析論後書 (新版 アリストテレス全集 第2巻)

分析論前書 分析論後書 (新版 アリストテレス全集 第2巻)

 

 

ついに出ましたね。『分析論後書』の新訳。

以下、気になる点まとめ。

 

・A4の自体性解釈について(pp. 527-528)

分析的-経験的の区別を持ち込むModrak (2001) の解釈の排除。これは自分も論文で同じことをしたので理解できる。また、自体性(3)(4)を「(1)(2)を補い説明している」という解釈も納得いく。

しかし、自体性(2)をB16-18で論じられる「落葉」と「広葉」との関係から捉えているという解釈がわからない。河谷先生の論文(1995)を読んでもいまいち理解できない。