九州大学哲学会 平成24年度大会
九州大学哲学会で研究発表をしてきました。
初の学会発表ということで少し緊張していましたが、今やれることはすべてやってきたと思います。
近いうちに研究室のホームページの方へ詳細な情報を載せますが、今回の題目は以下のようなものでした。
研究発表I:カント理論哲学における例示機能と随意的構成――図式化と象徴化の理解に寄すべく
研究発表II:アリストテレスにおける名目的定義の問題――『分析論後書』B巻第7章を手がかりにして
研究発表III:『幸福を与える智慧』における国家論―ウイグル哲学の頂点においての理想的国家像―
研究発表IV:ケアの現象学に向けて―現象学の可能性を巡って(二)―
特別発表:実践命題としての要請
シンポジウム:中世普遍論から現代存在論へ
私は「研究発表II」でしたが、中世や現代専門の方々から有益なご質問をいただき、質問予定時間を超過してしまうという嬉しいハプニングもありました。ご質問いただいた方々にはこの場をかりてお礼申し上げます。
色々と修正するべきところのあるものですが、自戒の意味も込めて、今回の発表原稿をそのままグーグルドキュメントにアップロードしています。ご笑覧ください。
https://docs.google.com/open?id=0Bzk8O7t8Llx-RDhPMEQzM0RTeDA
この発表に対する質問として、
・「存在把握」の内実と適用の問題。より詳細な説明が必要。
・存在把握を含むものとしての「部分的定義」と、存在把握を含まないものとしての「名目的定義」の峻別の妥当性。存在するかどうかあやふやなものについて、まさに名目的定義が機能しているとは考えられないのか。
という二つのものがありました(プロパーによる解釈上の質問は省略してあります)。論文にする際にはこの二点に特に注意しながら修正を行なって行きたいと思います。
今回の記事は、もし内容その他に問題があれば一部削除するかもしれません。ご了承ください。
追記
アップロードした原稿を見ていただいた某氏から、
・「三角形」(τρίγονον)を属性と解するのであれば、2Rの帰属対象としてのτρίγονονと区別するために、「三角の」というように形容詞的に訳したほうがいいのではないか。
というご指摘をいただきました。名前をあげていいかの判断がつかなかったため匿名にしてありますが、ありがとうございます。