丹治信春『クワイン――ホーリズムの哲学』
- 作者: 丹治信春
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/10
- メディア: 単行本
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引き続き、英米圏の哲学強化月間。
架空的対象の話も絡んでくる、第4章「存在論とその相対性」を中心に読んでます。
ちなみにその章に、
哲学者たちが非存在の問題を扱うとき、伝統的に、ペガサス、ユニコーン(一角獣)、ケンタウロス(上半身が人間で、下半身が馬の怪物)といった、神話や伝説上の動物が、例としてしばしば取り上げられるのであるが、気をつけなければいけないのは、「ペガサス」は固有名(英語では頭が大文字になる)であり、「ユニコーン」と「ケンタウロス」は普通名詞(一般名辞)だ、ということである。(pp. 213-214)
という記述があります。
これを見て思い出したんですが、LSJによれば、「ケンタウロス」はもともと「未開人(savage race)」を指すらしいんですね。アリストテレス研究者のModrakは' Nominal Definition in Aristotle 'という論文の註37で、「ケンタウロス」は、こういった日常的な用法から神話的意義を後に獲得した言葉だと言っています。
だからどうしたというわけでもないんですが、今興味を持っているトピックということもあり少し気になったところでした。